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表札2

  • 2009/09/09 11:23

15.jpg

一昨日からの続きです。

精密加工を行う際、常に関わってくるのが「隙間」です。
クリアランスと呼んだりもします。

人々が生活している中でも、隙間が重要な場面が幾つかあります。
窓の隙間とかそう言う話ではありません(汗)

たとえば、皆さんお持ちの携帯電話。折りたたみ式の場合、蝶番の部分は、この方式の要と言っていい場所だと思います。
この部分は簡単に言えば三つの穴と一つの軸で構成されていて、穴と軸の「隙間」が重要になるわけです。

ここで言う隙間とは、穴に対して軸がどれ位小さなサイズになっているか、という事です。
推測ですので実際にどうなっているか分かりませんが、0.01mm単位の隙間になっていることと思います。

もし折りたたみ式の携帯電話をお持ちでしたら、蝶番の部分を動かそうとしてみてください。旧式のタイプは分かりませんが、ほとんど動かないと思います。つまりそれだけ隙間が少ないわけです。
隙間が大きければ、当然、ガタガタと動いてしまい、いわば古くて手入れをされていないドアのようなものです。


プラスティックの場合、素材そのものが収縮性を持っているので、多少の誤差は吸収されてしまいます。
ボールペンのキャップなどがその例です。
軸の方を多少大きめにして、キャップ側を小さくします。
そうする事で少し力を入れると「カチッ」と締まり、簡単に抜けなくなるわけです。

金属の場合どうかと申しますと、板バネのように薄いものでしたら、やはりプラスティックのように収縮させる事は出来ますが、これは素材自体が収縮しているわけではないので、100kg単位の負荷を掛けない限りは、簡単には伸びたり縮んだりはしません。
しかも一度伸びると元には戻らないので、プラスティックのような働きをさせる事は大変難しいのです。

少し話が逸れてしまいましたが、光学製品でも特に重要なのが、この隙間です。例えば、レンズとレンズを入れるケースの位置が0.1mmの隙間があったとしますと、当然カメラの内部でレンズが動いてしまい、接着したとしてもケースの中心にレンズが来ないので、焦点が合わない事になります。
0.01mmずれただけでも焦点は大きくずれる事になるので、これは大変な誤差になります。

金属同士では、先述の通り収縮性がないので、丸い所に丸い物を入れるのは簡単ではありません。少しでも歪みがあると、そこが干渉して入らなくなります。
それでは隙間を大きくすれば・・・という訳には行かないのは、これまでお話しした通りです。

それでやっとワイヤーカットの話になりますが、0.01mm以下の精度で加工する事ができるこの機械で、一つの試みを行ってみました。

完成品は前回の記事の通りですが、元々は、下の写真の通り、ベース板と文字を分けて製作した物です。

シルバーの部分はステンレス、ゴールドの部分は真ちゅうで製作しました。

真ちゅう製の文字を、ステンレスの穴に入れる際、隙間が大きければ「ストン」と落ちてしまいますし、逆に小さすぎると今度は入っていきません。

そこでワイヤーカットの精度を利用して、「少しかたく入る」という寸法にして、製作しました。
埋め込んだ後は、それぞれがフラットになるように表面を磨いて出来上がりです。
もちろん接着剤などは使用せず、はめ込みのみで作られています。
ハンマーで軽く叩いた程度では外れません。

文字それぞれを精密に製作する必要があり、製作コストは大変なものですが、オリジナリティはかなり高いと思います。
少し浮かせたり、少し凹ませたりも出来ますが、フラットにするほうが、見た目にもすっきりしていて良いのではないかと思います。

この製品について、ご興味のある方はこちらまでお問い合せください。

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