アルミ製スペーサー
- 2009/11/12 09:58
単純な形状なので本製品の価格を開示致します。
2個製作で、1個2,500円です。
合計で5,000円になります(消費税は含みません)。
製品サイズは、外径30mm、内径12mm、厚さ4mm、材質アルミ(A5056B)で、用途はバイク用のスペーサーとのことです。
この製品は単純なドーナツ型で、小さな穴やネジ穴などが無いので、それらの追加形状があれば当然価格も上がります。
同じ円周であっても、溝があったり段が付いたりするだけでも価格があがりますので、本当に単純なドーナツ型で、このサイズであれば大体この程度の価格になります。
もちろんサイズが大きくなればその分価格も上がりますが、50mm程度であれば材料費は数百円なので、弊社では材料費は頂いておりません。
細かくお見積もりすれば、材料費が150円とか、細かな数字になってしまいますので、100円以下は基本的に切り捨ててお見積もりしています。
送料も実際は地方によって500~1,000程度の開きがあり、これもお見積もり時にわざわざ住所を聞いて計算するのもお互いに手間になりますので、最初のお見積もりやお問い合せでは、詳しい個人情報は不要です。ハンドルネームだけでも良いくらいです。
特に個人のお客様は、「一体幾ら掛かるのか?」全く見当も付かない状態だと思いますので、まずは簡単に、素早くお見積もりするよう心がけています。
素早いからと言ってどんぶり勘定などと言うことはありませんのでご安心ください。
弊社のお見積もり方法は以前にも記事にしたことがありますが、15年位前からずっと継続してコンピュータを用いた計算を行っているため、正確で素早いお見積もりが可能になっています。
ところで、単価についてご注意頂きたい重要なことが一つございます。
単価は数量によって全く異なるという事です。
これは弊社に限らず、どの工場へ依頼しても同じ事が言えると思いますが、たとえば、どのお客様も、1個と100個であれば、1個の単価の方が高くなるのは想像が付くと思います。
ところが、実は1個と2個でも価格が大きく異なります。
今回のスペーサーの場合、2個だと単価2,500円ですが、1個になると3,500円になります。
トータル金額は5,000円に満たないので、これに送料が掛かることになり、割高になってしまうことがお分かり頂けると思います。
数量による価格の違いについては部品によっても異なりますが、先の例で1個と100個では、何故価格が異なるかを、まずはご説明したいと思います。
まず1個の場合、弊社は試作・単品加工を主に扱っているので手持ちの材料は余りありません。
今回のような小さな部品は材料がある場合が多いですが、ほとんど材料屋さんに切断して貰った物を購入します。
1個の為に注文などの作業を行う為、その点でまず手間が掛かります。
今度はその材料を、今回の部品の場合は旋盤という工作機械に取り付け、1個の為だけにワークを固定する作業や刃物を選別、取り付ける作業、段取りを行い、加工が終わったら今度は段取りを外してしまいます。
そして加工が終わると別の作業員が検査を行い、図面通り出来ているか確認し、また別の者が梱包作業を行い、発送となるわけです。
ただ1個の為に多くの時間が割かれているのがお分かり頂けると思います。
これが100個になりますと、量産設備の整った工場の場合、材料は切断されたものでは無く、長いまま購入し、そのまま工作機械に取り付けます。
機械の方で自動で長さを調節し、切断しながら加工を行う為、材料を取り付ける手間は100個であっても数回で済んでしまいます。
一度プログラムを組んでしまえば、あとはボタンを押すだけで自動的に製品が出来上がりますので、人が付いている必要が無く、人件費が掛かりません。
加工が終わった後も、100個全てを検査する必要がないので、抜き取りで数個行い、時間の短縮になります。
これが1,000個、1万個となれば、ほとんど24時間で稼働し続ける工場もありますので、人がいない間にどんどん製品が作られ、単価はどんどん下がり、ほとんど材料費に近くなります。
1個と2個の違いはこれほど大きくは異なりませんが、同じ事を繰り返して行う部分が多く、段取り時間が1回で済む為、その分、お安くなるのです。
一品物は高い、とこれは工場に限らず、職人さんが装飾品を作るような場合でも同じ事が言えると思いますが、1個ずつ作るのは、同じ物を一度に作るよりも、ずっと労力が掛かることをご理解頂きたいと思います。
弊社では創業時からこの一品物ばかりを製作しており、よく「一個だけでも作ってくれるのか?」というお問い合せを頂きますが、全く問題ありません。
今でも毎日製作しているのは、ほとんど1個のものばかりです。
1個は作れるのですから、当然100個でも1,000個でも、製作は可能ですので、数量は何個でも、ご依頼ください。
今回の記事はいつもより長くなりまして申し訳ありませんが、数量による価格差についてご理解頂きたく、何卒ご容赦ください。
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